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Box Project

漆の器を収納する箱の再生

70代のご夫婦から漆の器を収納する木箱を再生したいとご要望があり、始まったプロジェクト。


お話を伺っていると箱そのものよりも前板を残したいようでした。

そして前板には様々な情報が載っていました。


【表】

御坊様

福嶋皆朱

壱人前入


【裏】

嘉永二年

亡 酉十月下旬

北本氏(玄木)

宮次氏(作道村)


嘉永2年の10月下旬に御坊さん用(一人前)に福島でつくられた朱漆の器で、

玄木という地区?にいる北本氏の持ち物だったようです。


それが富山県の作道村の宮次さんという方のところへ移ってきたようです。

(ご依頼頂いた親戚に宮次さんという方がいるそうです。)


嘉永2年は西暦でいうと1849年。

ペリー来航が1853年なので、ちょうどそのころに作られたモノになります。


約170年の歴史を経て今ここにあると思うと感慨深いです。

ただ箱は修復も難しく、ご依頼された方も前板と漆器に思いれがあるということだったので、

思い切って、透明なアクリルで箱を作り直し、前板と漆器が目立つように、

再生させて頂きました。




Project Gallery

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